ラオス人との国際結婚の書類手続きを解説するブログ

ラオス人との国際結婚の手続きに相当苦労したので、いずれ誰かの役に立つであろう情報をまとめました。

ラオス人との国際結婚 書類手続き解説 #1 (日本国内での準備編)

全体の流れ

ラオス人との国際結婚の手続きについて、4記事に分けて解説します。

 

はじめに

筆者は、2017年にラオス人との国際結婚手続きを始め、2018年に婚姻が完了しました。

結婚の行政手続きが非常に大変で、書類手続きに約1年4か月かかりました。

将来ラオス人と結婚される方のために、手続きに必要な情報を整理しておきたいと思います。

 

当ブログに掲載する記事は2017年時点の情報ですが、将来いつか「こんなブログの情報役に立たねーよ!」と言われるぐらい、ラオス人との結婚手続きが簡素になる日が来ることを願っています。

 

謝辞

 別記事に記載しました

 

身近にラオス人と国際結婚手続きを進めている人がいる方へ

別記事に記載しました 

 

手続代行会社について

Web上の記事を読んでいると、2,000USDほどで手続きを代行してくれる会社があるそうです。

私の場合、結婚相手が首都ビエンチャンではなく地方部出身であり、そんな会社を見つけることはできなかったので、結局は相手の親族の協力を得ながら、代行会社を使うことなく手続きを進めました。

また、手続きを代行するといってお金だけ取り、ほとんど何もやってくれないラオス人もいるようですので、人に依頼する場合は十分注意しましょう。ラオス人との結婚手続きを進めているドイツ人の友達(結婚相手の友人のフィアンセ)は最初に数百ユーロ騙し取られたと怒っていました。

 

言語について

筆者は、英語であれば、日常会話から自身の専門分野まで、大体は問題なく読み書き・会話が可能です。

タイ語は、会話であれば、日本の中学2年生が習う英語とほぼ同レベルと思いますが、文字の読み書きはほとんどできません。

ラオス語もほとんどできません。ただでさえ貧弱なタイ語に毛が生えた程度の言葉しか喋れません。

このため、地方の役所は、ほとんど英語が通じないので、主に結婚相手・相手家族に同行してもらい、英語で通訳してもらいながら手続きを進めました。

首都ビエンチャンの役所では、大体の場所で英語が通じたので、1人で手続きを進める場合でもなんとかなりました。

ただし、書類はすべてラオス語で揃える必要があるため、書類作成に関しては翻訳会社への依頼が必要になります。

 

あったほうが便利なもの

1.マイナンバーカード

手続きを始める際に、マイナンバーカードを作りました。

住民票の写し、戸籍証明書(戸籍謄本・抄本)をコンビニエンスストアで発行できるようになります。

日本で手続きを進めたあと、ラオス側でも再度戸籍証明書が必要になるのですが、「3ヶ月以内に発行されたもの」といった条件があるため、コンビニで発行できると非常に便利です。

申請は、マイナンバーカードの申請機能が付いた証明写真機(富士フィルムDNP Ki-Re-i)を利用すると簡単です。

証明写真機で申請後、2〜3週間後に住民票のある役所で受け取れます。

 

2.ラオスへ割安に国際電話をかける手段【2020年3月追記】

日本で仕事をしながら手続きを進めるため、ラオスの各役所の担当者へ何度も電話をしながら進めました。

主な電話の内容は「次は○日に渡航してこの書類を持って行くからよろしく」、「その書類を提出したあと結果が返ってくるのに何日ぐらい見込めばいいか」など、渡航スケジュール関連です。

割安に国際電話をかける手段ですが、コスモブリッジのコスモゴールドサービスを利用しました。

 

【2020年3月追記】

最近だと国際電話に関してはLINE Outを使ったほうが安くて便利かもしれません。ラオス宛の通話は10円/分です。(タイ宛の場合は6円/分)

LINEストアでコールクレジットを購入して使用します。最も安いコールクレジットは120円分からあるようです。

 

3.青色のボールペン、朱肉、印鑑、書類ケース

ラオスでは黒の印字の書類に手書きで記入する場合、青色のボールペンで記入するようです。

結婚相手(ラオス人)の書類にも記名・捺印(or 拇印)をする箇所がありますので、ラオスにも印鑑・朱肉を持参すると便利です。

書類は最終的に数十枚(日本語原文、英訳文、ラオス語訳文)になります。大きめの書類ケースを用意しましょう。

また、雨の日は、移動中に浸水で書類がやられてしまわぬよう、書類ケースをビニール袋に入れて持ち歩きましょう。

 

【解説】日本国内での書類手続き

手順1.自身の住民票の写し、結婚相手のパスポートのコピーを用意する

在日ラオス大使館から日本の警察宛てに、申請者(日本人)に関する「犯罪経歴証明書発給依頼書」を作成していただきます。

その際に、申請者(日本人)の住民票の写し、結婚相手(ラオス人)のパスポートのコピーを提出する必要があります。

ラオス人のパスポートのコピーは、内容(氏名・旅券番号)が鮮明であれば、スマホのカメラで撮影した写真をプリントアウトでも大丈夫のようです。光の反射に気を付けましょう。

 

手順2.在日ラオス大使館へ行く

大使館のWebページはこちらです。

平日は9:00〜12:00, 14:00〜17:00です。

場所は西麻布で、電車の場合は六本木駅から徒歩になります。(Googleマップで開く

 

六本木駅からラオス大使館のルート

 

遠方であれば、電話等でも受け付けていただけるようです。

 

窓口で、結婚手続きを始める旨を伝え、大使館から日本の警察宛ての犯罪経歴証明書発給依頼書の作成をお願いしましょう。

手順1で用意した書類2点は、ここで提出します。

費用は5,000円です。窓口で支払い、領収書をもらいます。

約1週間程度で、住民票に記載の住所へ、ラオス大使館からの発給依頼書が郵送されます。

発給依頼書の宛名は、自身の住民票がある都道府県の警察宛です。

 

その他、窓口の方に、手続きを進めるにあたっての手順、注意事項等について説明を受けます。

申請に必要な書類の一覧(日本語版・ラオス語版)をいただけます。大使館のWebサイトに掲載されているPDFよりも詳しいバージョンの書類をいただきました。

 

結婚相手(ラオス人)が必要な書類は以下と書かれています。

  1. 結婚申請書
  2. 履歴書(ラオス外務省発行の書類に記入)
  3. 独身証明書(離婚した場合は離婚証明書)
  4. 住民票
  5. 親族の結婚同意書
  6. 健康診断書(有効期間は6ヶ月)
  7. 無犯罪証明書
  8. パスポート
  9. 写真(3cm*4cm) 3枚

 

申請者(日本人)が必要な書類は以下と書かれています。

  1. 結婚申請書
  2. 戸籍謄本
  3. 独身証明書婚姻要件具備証明書
  4. 犯罪経歴証明書
  5. 在職証明書
  6. 健康診断書(有効期限6ヶ月)
  7. パスポート
  8. 写真(3cm*4cm) 3枚

 

※上記の日本人の書類(1.2.3.5.6.)には、英語またはラオス語の翻訳を付けて提出すること、また、各翻訳には、翻訳者の氏名・住所・TELを記載するよう書かれています。

 

実際には、結婚相手(ラオス人)の住んでいる地域によって、必要な書類の種類は異なるようです。

私の場合、大使館で指示された書類+4種類の書類が必要になりました(詳細はラオス地方編で書きます)。

また、最終的には全書類に英語訳だけではなく、ラオス語訳が必要と言われました。

 

このあたりは、ラオス側で結婚相手の住む県の役所へ訪れ、担当者へ確認してみるまでわかりません。

 

ひとまず、日本の大使館で入手した、結婚相手(ラオス人)が必要な書類のリストを相手に送ってあげましょう。

もし県役所に近いようであれば、県役所の"Division of Home Affairs"へ行き、必要書類のリストと、結婚申請書類フォーム(テンプレート)を購入するよう伝えたほうが早いです。(私は、結婚相手が県の中心部から離れた村出身だったため、一緒に行きました。)

 

県役所の看板(ラオス語)はこれです。

ルアンナムター県では"Home Affairs"と書かれていますが、地域によっては"Internal Affairs"と表記されている可能性があります。

lxg-homeaffairs.JPG

 

手順3.都道府県警察へ行く

犯罪経歴証明書を作成してもらうため、住民票の住所の都道府県警察へ行きます。

手数料は無料です。持参する書類は以下の3点です。

  1. ラオス大使館から届いた「犯罪経歴証明書発給依頼書」
  2. パスポート
  3. 住民票 / 運転免許証 / マイナンバーカード いずれか1つ

 

指紋の採取があるため、代理申請は不可です。

申請後、約1〜2週間程度で受取が可能になります。(受付窓口に「本日申込の場合、最短で○月○日から受取可能」と書かれていると思います)

 

受取時にも説明を受けますが、犯罪経歴証明書は日本の警察からラオス政府宛てに作成されるもので、本人による開封厳禁となります。

証明書は、1枚に5か国語(日本語・英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語)で書かれて、封印された状態で渡されます。

絶対に開けてしまわぬよう、気を付けてください。

 

…ただし、ラオスで手続きを進めるとわかりますが、ラオスの県役所からは「ラオス語訳が必要なので開けて翻訳会社に翻訳してもらえ」と言われます。

 

この矛盾にどう対応したらよいか迷い、県警察へ電話で相談したところ

「本人による開封は厳禁なので、開けてしまうともう一度作り直し。英語でも書かれているからそれで受理してもらえないか交渉してみてください。それでも困ることがあれば大使館へ相談してみてください」

と言われました。

 

ラオスの県役所に電話で確認すると「英語ではダメだ」と言われてしまったので、在日本ラオス大使館の担当者へ電話で相談したところ

「未開封のまま一度ラオスの役所の担当者のところへ持って行き、『英語やフランス語では書いてあるらしいけどラオス語で書いてあるかわからないから、この場で開封して確認してほしい』と伝え、次の指示(ラオス語訳作成)を受けてください」

とアドバイスを受け、この方法に従いました。

 

さて、この犯罪経歴証明書ですが、提出時には「6ヶ月以内に発行されたもの」との条件があります。

地方部での手続きを進めたあと、最後に首都ビエンチャンの入国管理局へ提出するときに、6ヶ月を経過していると、取得し直す必要があるようです。

私は、仕事の合間に1~2週間程度の休暇を何度か取りながら手続きを進めましたが、6ヶ月以内でなんとかなりました。

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